作成日

2021年の冬は寒い?降雪前にできる屋根の積雪対策

「積雪被害の特徴を知りたい」
「屋根が雪の重みで壊れるって聞いたけど本当?」

このような疑問を持つ人は多く、冬にかけて相談が増えてきます。

2021年は厳冬になると予想され、各地で積雪の被害が警戒されています。

積雪被害は雪がとけないことによるものが多く、雪の重さが原因である荷重被害が深刻です。

しかし、普段から積雪被害が起きる地域以外では荷重による被害が知られていないのが現状です。

荷重被害はケースによっては建物全体に及び、雪の重さで建物が倒壊する可能性もあります。

そこで、厳冬である2021年に備えて今からでも間に合う積雪対策を解説します。

普段はちらつく程度しか雪が振らない地域に住んでいる方も、被害を防ぐために参考にしてみてください

積雪被害の特徴

積雪被害のポイントは大きく分けて2つあります。

1つ目は雪自体が質量を持ってその場に留まることによる荷重被害です。

雨や雹と違い雪はとけるまで留まり、数ヶ月にわたって建物に影響を与えます。

特に深刻なものが荷重による被害です。

雪は雨に比べると密度が低いため、あまりイメージが湧きにくいですが積もることでかなりの重量となります。

雪が降り積もると下側は段々と重さで圧縮され、最終的に氷の塊になってしまいます。

雪のときと違って密度は水とほぼ変わらないため、油断していると予定外の重さとなって被害が発生します。

そのため、重さによる被害である荷重被害が深刻なものとなってしまいます。

2つ目は雪は一定の期間を過ぎると一斉にとけだすということです。

雪どけの季節である春は心地よい気候であり、災害と無縁の季節に感じます。

しかし、積雪が一斉にとけだすため大量の水が流れ出ることとなり、建物に大きな影響を与えます。

雪どけ水の被害は毎年多く発生し、雨漏りや変色の原因に繋がります。

雪どけ水は積雪がとけることが原因であり、積雪が撤去されるまで外壁や屋根の状態を確認できないことも重要です。

積雪でおおわれていた屋根がひび割れており、雪どけと同時に大量の雪どけ水が建物内に流れ込んでくるケースも存在します。

このように積雪の被害は雪の性質が関係した被害が多く、被害が大きくなりやすい特徴があります。

具体的な被害にはどのようなものがあるか、実際の建物被害を確認していきます。

雪の重さによる荷重被害


雪の重さによる被害である、荷重被害は屋根と雨樋に多く現れます。

屋根や雨樋は雨水を受け流すために設置され、雪が積もりやすい形状をしていることが原因です。

日本で使われている屋根は傾斜がゆるいことが多く、北欧に比べると雪が滑り落ちにくい形状であるとされています。

そのため、定期的な雪かきをおこなわないと雪の荷重で建物全体に被害が発生します。

代表的な被害は重さによる屋根材の破損やひび割れ、建物全体の倒壊といった重大被害も含まれます。

また、屋根以外では雨樋が多くの荷重被害を受けます。

雨樋の多くは塩化ビニルと呼ばれる軽量で丈夫な素材を使っており、設置時に外壁から出っ張る形で設置します。

雨樋は外壁に固定するため、重さに対する耐久性が低く、積雪がたまることで固定金具が折れてしまいます。

そのため、雨樋の被害がもっとも多く発生します。

また、雪が雨樋の内部に侵入し、雨樋を詰まらせる被害も深刻です。

雨樋は雨水を屋根から地面に流すことを目的にしていますが、雪が侵入して詰まることで雨水が逆流することがあります。

逆流した雨水は雨樋からあふれて外壁を伝って落ちるため、外壁の変色や塗装剥げの原因に繋がります。

荷重被害の大半は重さによる雨樋の破壊ですが、対応を怠ると建物全体の倒壊に繋がる危険もあるため注意が必要です。

雪どけ水による被害


積雪の被害のうち、雪どけ水による被害も大きな割合を占めます。

雪どけ水は一斉に雪がとけるために発生し、外壁や建物内部に大きな被害を与えます。

雪どけ水は冬の間に膨大な量が蓄積され、荷重被害で雨樋が壊れることもあり、正常な状態で排出されないことが多いです。

そのため、屋根や外壁の隙間から建物に流れることで雨漏りに繋がります。

雪の多い東北地方では雪どけ水による雨漏りをすが漏り(すが濡れ)と呼び、大きな被害として認識しています。

気温の変化は予測が付きにくいということもあり、事前に対策が難しいことが被害を大きくする一因ともされています。

落雪被害


積雪被害の中で建物に直接影響は無いものの、人的被害が発生するものに落雪被害があります。

落雪被害はその名の通り雪の塊が落ちてくる被害です。

新雪と呼ばれる柔らかい塊の場合は特に問題ではありませんが、荷重によって固められた氷の塊が落ちてきた場合は大きな怪我に繋がります。

屋根や雨樋の下部である軒先で多く発生する被害であるため、対策をおこなわないと車や植木に被害がでるケースも存在します。

定期的な雪かきをおこない、密度の高い塊を取り除くことで被害を軽減できます。

「本当に建物の修繕費用が
火災保険から出るの?」

くわしく知りたい方はお電話ください

受付時間 10:00~18:00 (土日祝を除く)

03-6381-5281

積雪による荷重やすが漏り被害を防ぐ方法


積雪被害は大きな影響を与えるものが多く、対策をおこなうことが重要です。

対策をおこなうことで事前に被害を防ぐことに繋がります。

現在では各地方自治体を中心に補助金等もあるため、リフォームを兼ねて対策を施すことがおすすめです。

今回は効果的な対策を確認していきます。

雪を屋根の上に載せない


積雪の対策でもっとも重要なことが屋根の上に雪が積もらないようにすることです。

荷重被害や雪どけ水の被害はほとんどの場合、屋根の雪が原因で発生します。

そのため、単純に屋根の上に雪が積もらない状態を作ることが効果的です。

屋根に雪が積もらない工夫は数多くありますが、最も効果的な物が屋根の傾斜を大きくすることです。

日本ではあまり馴染みが無いですが、北欧では三角屋根と呼ばれる尖った形状の屋根が建物の主流を占めます。

これは積雪を防ぐためであり、高い効果が期待できます。

今後、豪雪地帯で建物を建てる予定の人は、屋根の傾斜を大きくすることを検討してみてください。

雪がとけやすい工夫をおこなう


積雪対策の中で、効果が高いものの1つに屋根に積もった雪がとける状態を作ることがあります。

雪は一定の温度以上でとけるため、屋根全体に雪がとける仕組みを施すことで積雪被害を防ぐことが可能です。

雪がとける仕組みが施された屋根を無落雪屋根と呼び、豪雪地帯では主流の対策です。

無落雪屋根は定期的なメンテナンスが必要なものの、一度設置することで雪かきの労力が大きく低減するためおすすめの対策です。

既存の屋根に設置する場合は融雪設備と呼ばれ、無落雪屋根と同様、雪が自動でとける仕組みが施されています。

融雪のメカニズムはヒーターを設置するもの、住宅内を循環する形で暖かい空気を回しパイプを用いて屋根の上で排熱する方式等、様々な種類が存在します。

仕組みによって異なるものの、助成金を用いれば30万円以下で設置も可能です。

豪雪が見込まれる地域に住む方は検討をおすすめします。

雪止めを設置する


雪止めは屋根から大きな雪の塊が落下することを防ぐ目的で設置され、積雪被害の中でも落雪に効果があります。

雪止めは雪が転がり落ちないようにストッパーとなる金具を屋根に設置し、新雪のような柔らかい雪のみ落ちるように工夫がされています。

人的被害や物的被害の中心である落雪を防げるため、大きな効果が期待できます。

しかし、雪止めには欠点も存在します。

雪止め周辺に大きな氷の塊が集中するため、雪止め周辺の荷重が大きくなることです。

また、雪かきをおこなうとき足場が不安定になる可能性もあり、限定的な効果しか期待できません。

設置費用は数万円程度と安いため、ブロック塀等で住宅を囲んでいない建物は落雪被害を広げないために設置をおすすめします。

「本当に建物の修繕費用が
火災保険から出るの?」

くわしく知りたい方はお電話ください

受付時間 10:00~18:00 (土日祝を除く)

03-6381-5281

積雪の荷重やすが漏り対策にかかる費用と工事期間

積雪対策は事前におこなう必要があり、一旦雪が積もりだしたら対策をおこなうことが難しいです。

そのため、積雪が予想される12月上旬までに対策をおこなう必要があります。

それぞれの対策がどれくらいの期間で施工可能か、知りたい人も多いと思います。

そこで、積雪対策の目安となる費用と工事期間を解説します。

シーズン直前のため、業者によっては差異があるため、あくまで目安となりますが参考にしてみてください。

無落雪屋根へのリフォーム


無落雪屋根へのリフォームは効果的な手法ではありますが、規模の大きい工事となります。

そのため、事前に計画を立ておこなうことをおすすめします。

無落雪屋根には大きく分けて2つの考え方があり、それぞれ必要な費用や施工期間が異なります。

スノーダクト式と呼ばれる方法では屋根の中央部を凹ませ、排水ダクトを設置することで雪を排水ダクトから流すことを目的としています。

同時に融雪するため効果的な手法ですが、定期的なメンテナンスをおこなわないとすが漏りの原因となります。

また、費用も高く200万円程度かかり、工期も1~2ヶ月は必要です。

フラットルーフ式は意図的に平らな屋根を設置し、雪を乗せたままにすることで落雪を防ぐことを目的としています。

荷重による被害を防ぐため、建物自体をかなりの耐久性の高い造りにリフォームすることもあります。

荷重による被害を考えると豪雪地帯というより、時々積もることがある地域で選択する方法とされています。

費用は約100万円程度で、工事期間は1ヶ月程度となります。

屋根そのものをリフォームするため、費用は高いものの効果が期待できるため、豪雪が予想される地域でおすすめの方法です。

融雪設備の設置>


融雪設備は既存の屋根に設置することで、積雪の荷重被害から住宅を防ぐことを目的にしています。

設置箇所は屋根全体、軒先のみ、谷部分のみと積雪の予想によって調整が可能です。

融雪設備は既存の屋根を利用するため、無落雪屋根に比べて費用が抑えられるメリットがあります。

反面、メンテナンスの重要性が大きく、メンテナンスを怠ると設備が故障する原因となります。

工事費用は50~200万円とばらつきがあり、メンテナンスにも10万円程度の出費が予想されます。

工事期間は2週間~1ヶ月程度と幅があり、屋根の形状に依存することが多いです。

融雪設備は必要な範囲や予想される被害によって大きく異なるため、必要と思う融雪設備を見極めることが重要です。

専門業者を交えて検討し、最適な融雪設備を探してみましょう。

雪止めの設置


雪止めの設置は落雪対策にのみですが効果的であり、費用が安いため手軽におこなうことが可能です。

雪止めは屋根の種類によって使用する金物が異なり、設置の費用や工事期間に影響を与えます。

もっともポピュラーなスレート屋根が一番安価であり、費用は6万円程度、工事期間も半日~1日程度となります。

反面、瓦屋根や金属屋根に設置する場合は、専用の取付金物が必要となります。

瓦屋根は近年使われている軽量瓦の場合はそこまで問題ではありませんが、伝統の和瓦の場合は費用や工事期間に影響を与えます。

軽量瓦や金属製の屋根の場合、費用は10万円程度、工事期間は2~3日程度となります。

和瓦の場合、費用は20~30万円程度、工事期間は3~7日程度となります。

屋根の種類によって多少の変動はあるものの、もっとも手軽におこなえる対策のため、普段そこまで雪が降らない地域の備えとしては最適です。

しかし、荷重被害は防ぐことができないため、大雪が記録された場合は雪かきをおこなうように心がけましょう。

積雪による荷重やすが漏り被害は事前に対策することで防げる


積雪被害は雪が流動性を持たず、1か所にとどまることが原因で発生します。

雪は水とほぼ密度が同じ状態の氷となり、気付いた時には建物に大きな被害を与えることがあります。

事前に対策をおこなうことで屋根の雪はとかすことが可能であり、荷重被害を防ぐことも可能です。

荷重被害を対策した後は、落雪被害やすが漏りにも注意しましょう。

季節性・地域性の大きな災害であるため、無縁な人はとことん無縁なものが積雪被害です。

該当地域に住む方は、意識して対策することを心がけてください。

  • Pocket
  • LINE
  • はてブ

「本当に建物の修繕費用が
火災保険から出るの?」

はい、出ます!
ご相談・お問い合わせだけでもどうぞ。

受付時間 10:00~18:00 (土日祝を除く)

03-6381-5281

03-6381-5281

受付時間 10:00~18:00 (土日祝を除く)

電話お問い合わせ

メールお問い合わせ