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【事業継続計画】防災・減災のためにも事業継続力強化計画認定制度を活用しよう

ビジネスマン同志の握手

目次

この記事は、地震・台風など自然災害が多い日本で、中小企業庁が管理をしている「事業継続力強化計画認定制度」について、中小企業庁の「事業継続力強化計画認定制度の概要」「事業継続力強化計画策定の手引き」を基に、概要・制度内容を要約して記載している記事です。

防災・減災に取り組む中小企業・小規模事業者の方々は、参考にしてみてください。

事業継続力強化計画について

企業の社員
「事業継続力強化計画」とは、中小企業が行う防災や減災(自然災害の被害を最小限に抑えること)のため事前に行う計画のことを言います。経済産業大臣が認定するものです。認定を受けることができた中小企業では、税制が受けられたり、補助金が出たりの支援が活用できます。

認定対象事業者と事業継続力強化計画の記載項目

どんな企業が対象になるのでしょうか?

対象となるのは、中小企業や小規模事業者の方々です。
認定を受けられる中小企業者の規模としては以下の通りです。
認定対象事業者
出典:事業継続力強化計画策定の手引き(中小企業庁)

事業継続力強化計画の記載項目とは何があるのでしょうか?

その認定を受ける申請において、5つのステップがあるので確認していきましょう。

  • 目的を明確化させること。
    強化をするためにはまずはその目的を考えましょう。自然災害が発生すると、従業員や家族、取引先、会社の事業活動にも影響を与えることがあります。何のためにこの取り組みを行うのか?そこを明らかにしましょう。
  • 自社の自然災害リスクや被害想定
    ハザードマップ等を確認しながら、自社がある地域の災害リスクを確認しておきましょう。
  • 発生時に何をするかの手順確認
    社員の命の安全確保や、安否確認、情報共有が挙げられます。
  • ヒト、モノ、カネ、情報の具体的な施策
    たとえば、人員整備、資金の調達手段、機密情報の保護方法が挙げられます。
  • 平常時の取り組み
    避難訓練や、取り組み内容の見直しを定期的に実施することです。

基本方針の改正

2020年10月から、基本方針の改正が行われました。具体的な内容は以下の通りです。

1.支援対象の拡大

事業活動に影響を与える自然災害として、台風や暴風、地震、津波、豪雪、土砂崩れなどが対象でした。しかし、近年コロナウイルスなどのさしせまって重要な課題があることから、感染症等の「自然災害以外」のリスクも対象としています。また、サイバー攻撃なども対象になりました。

2.中小企業基盤整備機構が行う強靱化支援

「独立行政法人中小企業基盤整備機構が行う取組」を追加しました。

認定を受けた企業に対する具体的な支援策とは?

認定を受けた中小企業には、さまざまな支援策が取られています。

  • 金融支援・・・低利で融資を受けられます。(融資の利用には、別途日本政策金融公庫の審査が必須です)
  • 税制措置・・・防災や減災設備を入れた際の税制。事業継続力強化計画に沿って配置した設備(例:防火シャッター、排煙設備など。)については、取得価額の20%の特別償却を使用することができます。
  • 予算支援・・・ものづくり補助金などで加点を受けられます。
    また、中小企業HPでの企業公表、PRにて活用できるロゴマークの使用が挙げられます。

申請するにあたって

申請に必要な書類と提出先

申請に必要な書類は以下の通りです。

  • 申請書(原本)
  • チェックシート
  • BCP等の参考書類(ある場合)
  • 返信用封筒(A4が折らずに入るもの)と返信用切手
    書類の様式は、中小企業庁HPからダウンロードしてください。提出先は、各地方局の経済産業局に提出しましょう。

申請から認定まではどれくらいかかるのか?

基本的には45日とされています。書類に不備がある場合は伸びる可能性があるようです。

複数の事業者が連携して取り組む防災・減災対策

防災
では、すでに計画に取り組んでいる事業を例をとってご紹介します。

遠隔地の組合間における自然災害に備えた連携体制の構築

離れた県の中央会が仲介に入り、連絡網を整備しました。また、被災時におけるガイドラインを作成し、組合間の交流を実施しているようです。

親事業者と協力会との平時からの連携

サプライヤー(売り手)が集まる協力会では、平常時から互いに共同支払いなどを行っており、BCP策定(事業継続計画)を行っています。

地域にとって重要である工業団地の災害時連携の検討

被災時、最悪の場合は孤立してしまう恐れのある工業団地においては、自然災害時に焦点を当てた対応策を検討しています。大企業が実質的核となり、避難訓練や連絡体制を決定しているなどして取り組んでいるのです。

取組が期待される中小企業を取り巻く企業・自治体

未来への期待
災害対策に進んで取り組むことや、支援を実施する企業が増えることで、以下のような期待がされています。

サプライチェーンにおける親企業に対する期待

  • 取引先などの企業へのセミナー等の普及
  • 下請けや業界での取り組みの支援

地方自治体(都道府県・市町村)に対する期待

  • 認定を促すための普及による独自のインセンティブ付け
  • 補助金や融資の措置

損害保険会社に対する期待

  • 災害の事前対策の取り組み状況を踏まえ、リスクに応じた保険料の設定。

地域金融機関に対する期待

  • 災害対策の普及活動の実施
  • 災害対策に必要な資金融資
  • 災害に備えた資金繰り相談

商工団体による支援体制の強化について

  • 商工会や会議所の「事業継続力強化支援計画」の認定制度を作り、事前対策の普及や災害時の被害状況の把握の実施
  • 地方交付税を措置
  • 中小企業団体中央会が、組合を通じて事前対策を促す

「事業継続計画」を取らず災害に備えている企業もある

計画を立てる
「事業継続計画」の形は取っていないものの、各々実効性のある災害対策を行っている企業があります。どんな会社で、どんな対策を取っているのでしょうか。自社と似ている事業があれば、参考にしてみるものいいかもしれません。

製造業会社会社(従業員数130名)

目的として従業員の命を守ること、地域の暮らしや経済を守ることを掲げ、その目的は従業員の定着率向上にも貢献しています。

機械製造業(従業員数12名)

情報のバックアップを常に保管し、遠隔にいる同業者とも代替生産協定を結び、万が一のときのために生産や技術の協力に取り組んでいる例があります。

プレス加工業会社(従業員数26名)

遠方にいる同業者との代替生産体制に取り組み、大事な金型に関しても持ち込み、提携先での生産もできるようにしている例があります。

研磨加工業(従業員数60名)

もし被災したとしても2週間以内に事業の7割を再開するという目途を立て、連絡網の作成、社員の安否確認などの手順を定めていました。実際に、水災により被害を受けた場合は、事前対策があったために目途の通り事業を再開することができた例があります。

生花店(従業員数5名)

過去の経験を踏まえ、冷蔵庫用の電気設備を高い位置に配置。浸水はしたものの、電気設備は被害の影響を受けなかったために早期に営業再開ができた例があります。

食品加工業(従業員数197名)

地震保険にあらかじめ加入しており、津波で影響を受けた際にも保険金にて、復旧費用が確保することができた例があります。

普段より自然災害には備えておきましょう

備え
以上のように、「事業継続力強化計画」の認定企業になることは、その申請作業をすることだけでも万が一の時の備えにもなります。こつこつ事業を重ねてきた努力が、自然災害によって少しでも無駄になってしまわないようにしておきたいものです。忙しい日々でしょうが、平常時から自然災害に備えておくことはとても重要なことです。

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