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【BCP解説】学校の安全確保のため。BCPの重要性を詳しくご紹介!

2020年7月上旬に、熊本県を中心に九州や中部地方など日本各地で集中豪雨が発生し、大きな被害が出ました。この豪雨は「令和2年7月豪雨」と名付けられましたが、70人以上の死者を出すなど多くの被害が出たこともあり、自然災害への対策も企業にとって課題となっています。

そこで今注目されているのが、BCPという考え方です。
この記事では、自然災害に対応するために知っておくべき「学校」における「BCP」の重要性を詳しく記載している記事です。学校関係者の方は、ぜひ参考にしてみください。

企業が注目!BCPについて

上記でもお話ししましたが、日本では自然災害が多く発生しています。

そのため、これまで以上に自然災害に対する備えをしておくことは企業にとっても喫緊の課題といえますので、危機意識の高い企業もその対応に追われています。そこで注目されているのがBCP(事業継続計画)という考え方です。

BCPとは「Business Continuity Plan」の略称で、「企業が事業を継続させるための計画」という意味があります。
言い換えると、自然災害や事件・テロなどの緊急事態が起きた際に、企業が持つ資産への被害を最小限に食い止めること及び中核事業を継続させることを目的とし、いち早く事業全体を復旧させるためのさまざまな対策・方法をまとめた計画のことです。

また昨年は、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい、ここ日本でも緊急事態宣言が発令され、多くの企業が事業の中断を余儀なくされました。中断ならまだしも、倒産してしまった企業もおおくあります。

7月20日時点でコロナウイルス関連の倒産は357件、負債総額は2198億円にものぼりました。特に中小企業の経営は盤石ではないケースも多く、緊急事態により倒産のリスクは高まるため、しっかりとしたBCPを策定することがリスクマネジメントにつながります。

つまり、BCPにより顧客・市場から信頼される企業体制を構築することは、事業の継続につながるということです。そのため、中小企業庁はこのBCPの策定を推進し始めています。

学校におけるBCPの策定について

このように、BCPは今後多くの企業が採用していくことが想定されていますが、それは公共機関も同様です。

BCPは、その企業が日常的にどのような業務を行っているかによって異なってきますので、いわゆるテンプレートというものが存在しません。

例えば、工場で操業している製造業であれば今後製造を継続するための方策を、ショッピングモールのようなサービス施設であればスタッフだけでなく施設を訪れるお客様の安全を確保するためのBCPが必要になります。

その中でも、BCPの策定が強く求められる業種があります。それが学校です。

学校は、子供たちが学ぶ場所ですが、それだけでなく地域社会における知的・文化的拠点としての役割も担っているので、地域活性化のためには重要な位置にあります。

特に大学は地域活性化のために重要視している自治体も多く、若い人的資源の確保も観点からも学校の安定的な運営は欠かせません。学校におけるBCPは、このような地域における大切な役割を担っている機関を守るために策定する必要があります。

学校は、企業ほど経営上の失敗により事業停止に陥ることは少ないのですが、自然災害により通常業務を行えなくなることはあるでしょう。
そのため、学校におけるBCPの策定の際には、以下の2つの側面から検討する必要があります。


① 豪雨・豪雪・洪水・地震・津波・噴火など異常な自然現象による被害
② 大規模な火災・航空事故・海難事故・交通事故・爆発事故・化学物質汚染・テロ・戦争などの人為的災害

以上、2つの側面があるのですが、①の自然災害についてはともかく、②は決してあってはならないことですが、BCPを策定する際にはその対策を検討しなければいけません。

学校のBCPにおいて大切なことは、教職員・スタッフも学生も安心できる教育機関として、関わる人々全員の安全を確保するための公設避難所を設置したり、破損した備品などの管理方法を定めておいたりするといった対応が求められます。

また、大学においては地域や社会に貢献する施設であることも要求されるようになり、災害発生時に近隣住民の避難所とするようなことも求められています。
小学校・中学校・高校が避難場所になっていることは多いですが、それが大学にまで拡大しており、学校にとって地域社会にどれくらい貢献できるかは、学校の評価にも直結することです。

学生や地域から支持される学校として、地域における地位を確立するためにも、学校のBCPは大切なものでしょう。

学校におけるBCPの具体的な内容

では、学校のBCPとは具体的にどのようなものなのでしょうか。

企業のBCPの場合は、その企業が最低限やらなければいけないことを内容に盛り込んでいきます。
例えば、一般企業の場合であれば「社員の安否の確認」「取引先との連絡手段の確保」をベースにして企業の中核事業を継続できるようにするためのBCPを策定することが必要です。

学生の安全確保と地域との連携・協力が重要

学校の場合、学生の安全確保と地域との連携・協力が重要な業務になりますので、この両側面をカバーできるBCPを策定することになります。

災害が発生する前に、平常時にも消防・警察・町内会などと連絡を取り合って防災活動を行うことで啓蒙したり、非常時でも学生がすぐ対応できるように避難訓練や消火活動を行ったりすることもBCPの一部です。

また、災害時には危機管理本部を設置して、素早く関係各所に指示を出せるような体制を整えることや、建物の倒壊や道路の遮断などを勘案して避難所・集合場所を設置することなども盛り込みます。

もちろん、学生や教職員の安否確認・安全確保のために方策も重要になりますので、避難方法だけでなく、負傷者の救出・運搬方法や、帰宅が困難になった学生の食料・飲料水の確保の方法なども決めておきましょう。

そして、大学の高度な研究施設の中には、危険物や化学物質などを取り扱っているところもあると思いますが、これらの薬品による二次災害を防ぐための安全管理委員会を設置して、危険物の安全な取り扱いや処理を行うことも忘れてはいけません。

特に地域住民を受け入れる避難所になる場合は、避難してきた地域住民の安全確保が重要な課題となりますので、危険物の管理を徹底しておくことが大切になります。
さらに、学校としていつから授業を再開するのか、入学や卒業の手続きはどうなるのか、なども明確に提示しましょう。
教育機関としての使命を果たすと同時に、地域の施設として貢献していく業務をできるようにしておくのが、学校のBCPの肝になります。

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学校におけるBCPの実例

では、実際の学校におけるBCPの実例を見ていきましょう。

企業の中では注目度が上がってきているBCPですが、教育現場ではまだBCPの導入率は低いといわれています。

ちなみに、日本大学危機管理学部の調査では、BCPを策定済みの「大学」は全体の9.4%しかないという結果も出ています。とはいえ、BCPを策定した大学の実例を見ていくと、以下の観点でBCPが策定されていることがわかりました。

学生や教職員の安全を確保すると同時に地域住民への支援も行う

学生や教職員の安否を確認するためには、メーリングリストやWebアプリの作成を行います。
また、日本語が不自由な留学生への対処方法や非常時の連絡先の取り決めなども明確にします。
学校によっては、災害発生時に取るべき行動を示した多言語対応のポケットガイドを製作・配布しています。
加えて、地域住民の受け入れ体制の整備のために、事前に食料や飲料水を確保したり、学生を運営主体としたボランティア組織の体制を構築したりしている学校もあります。

学生への教育を継続して行う準備をしておく

災害時でも教育を継続できるように、授業時間の確保や単位の認定、推薦書や各種証明書を発行する方法を決めておきます。学校のホームページなどを活用して伝言板代わりに使用したり、学校の敷地が被災したことを想定して、近隣の学校と事前に協議して一時的な場所の確保したりしている学校もあります。

入学式や卒業式などの行事を行えるようにしておく

私立学校や高校・大学は入学試験も行いますが、その直前に災害が起きてしまったときにはどのように対応するのか、また被災した受験生へはどのような対応をするのかを事前に検討しておくことも大切です。
また、災害が卒業式シーズンと重なってしまった場合は、卒業式をどのように行うのかなども盛り込んでおく必要があります。

研究や学業環境の復旧について決めておく

体育館や美術室・音楽室などの特別教室や、大学の研究施設の復旧などをどのように行うかも策定しておきます。

具体的には、備品の破損・紛失はないか、研究資産となるデータの喪失なないか、そして復旧するためにはどのような手順で行えばいいかなどを策定しています。

多くの学校では、災害時に危機管理本部を設置して、学校に関わる人々の安全確保を行うと同時に、電力や水回りなどのライフラインの確保も行うことにしています。

このように、BCPを策定している学校は学生・教職員・地域住民のための活動をしながら、教育施設としての役割も維持できるようなBCPが策定されていることがわかります。

火災保険から修繕費用が出た実例

BCPの一環として火災保険に加入していた中学校の例を見てみましょう。

火災保険は、火事や自然災害による被害を補償するものですので、BCPのひとつとして取り入れておくことは大切です。

この学校の場合は、鉄筋コンクリート造の建物に被害が出て、総額540万円の保険金がおりました。

このケースは台風によって飛来物があり、外壁が破損したという被害が出て火災保険が適用されました。
また、地震・噴火・津波による被害については、火災保険とセットで加入する地震保険で補償されますので、火災保険や地震保険はBCPを策定する際に検討すべき議題といえます。

事業者災害対策機構の建物診断サービス

一般社団法人「事業者災害対策機構」では3年間無料で建物の診断を行うサービスを実施中です。
このサービスは3年おきに更新するもので、先に契約書を結んでおくことで、自然災害の後はすぐに被害調査を実施できるようになります。損傷を素早く発見しておけば、大規模な損壊を未然に防げたり、修繕工事のスケジュールを組みやすくなる等のメリットがあります。

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