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瓦止め工事をおこなう理由と工事方法、適正価格を解説

2020年7月14日 公開

「瓦止めって一体どんな目的があるの?」
「瓦の隙間から雨漏りが起きたけれど原因が分からない」

こういった悩みを持つ人は多いと思います。
日本では昔から瓦の屋根を持つ住宅が人気であり、今でも多くの戸建てで瓦屋根が存在します。

しかし、昔と違って現代の瓦はメンテナンスの必要があることは知られていません。

メンテナンスが必要な理由は、現在の瓦は形状の均一化がされており、昔の瓦と違って歪みがほとんどないため、形に合わせた工法に変更されているためです。
そのため 現代の瓦は歪んでしまうと雨漏りが起きてしまいます。

現代の瓦のメンテナンスである瓦止めについて、本記事では目的・工法・費用を解説していきます。

瓦止め工事の目的

瓦止め工事とは屋根に使われている瓦をシーリング材やボンドで固定することです。
瓦止めをおこなう理由としてもっとも大きい理由は、瓦が時間とともに劣化することがあげられます。

瓦は紫外線によって劣化する材料であり、 新品特有のカーブは段々と失われていきます。
そのため瓦を敷設してから10年も経つと瓦同士に隙間が発生し、雨漏りを始めとした風害の原因となってしまいます。

元々の工法では瓦の下に敷物をおこなうことでこの歪みに対応することがほとんどでした。
しかし、屋根の軽量化のために近年の瓦屋根では敷物がありません。
そこで瓦止め工事をおこない、瓦同士の隙間を埋めることで風害を防ぐのです。

また瓦止め工事をおこなうことで、雨漏り以外の風害である風による瓦の飛散を防ぐ効果も期待できます。
現代の瓦の多くが、耐震補強工事の関係で昔の瓦に比べて約半分の重さになっています。

耐震補強工事では住宅の倒壊を防ぐため、上物を軽くすることが推奨されているのです。
昔の瓦に比べて、小さい規模の台風でも瓦が飛散してしまうという問題が起きています。

上物とは梁の上に設置される部品の総称であり、屋根の一部となる瓦も例外ではありません。

この瓦の飛散を防止するためにも瓦止め工事は効果的と言われています。

このように瓦止め工事には多くのメリットが存在します。
しかし、新築時におこなって以来、新たに瓦止め工事をおこなうことはあまりありません。

瓦止め工事の効果は工法によって異なりますが、10年程度で風害に対しての効果をほとんど失うと言われているので定期的におこなうことをおすすめします。

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瓦止め工事の工法

瓦止め工事の工法は大きく分けて3つ存在します。

瓦止め工事の工法

 ラバーロック工法
 ボンド止め工法
 金具止め工法

すべての工法にメリット・デメリットが存在し、目的や予算に応じて選択することが重要となります。
3つの工法についてそれぞれ詳細を解説していきます。

ラバーロック工法

ラバーロック工法はもっともポピュラーな工法であるため施工件数も多く、多くの場合最初に検討される工法です。

特徴として瓦と瓦の間にラバーと呼ばれるシーリング材を注入し、瓦同士を固定させることが挙げられます。
使うシーリング材は水を通さない素材であり、瓦の隙間から雨水が流入してくることを防ぐ役割もあります。

施工内容もシンプルな固定であり、特別な材料を使わないため工費や日数も短く済むというメリットがあります。

しかし、ラバーロック工法には瓦の再利用ができないデメリットがあります。

本来、瓦は屋根の上に載せて施工するもので、瓦同士を接着はしません。
そのため耐久性の高い瓦は割れるまで半永久的使うことが可能であり、 日本古来の和瓦は100年近く使われています。

しかし、ラバーロック工法をおこなうと瓦同士を接着剤で固定してしまうため再利用ができなくなります。

今ある住宅を解体して新しく建て直すことを想定している人は、瓦を新しく購入する必要が出てくるためあまりおすすめできません。

また、ラバーロック工法で固定に使うシーリング材も経年劣化するため、おおよそ10年もすると効果が失われてしまいます。

効果も高く手軽な工法のため一般的ですが、再利用については注意が必要です。

ボンド止め工法

ボンド止め工法は瓦を専用のボンドで固定する工法であり、もっとも手軽におこなえる方法です。

ボンド止め工法は市販されている瓦専用のボンドで瓦の四隅を接着することで、瓦同士がずれてしまうことを防ぐことを目的としています。

前述のラバーロック工法との比較として、ボンド止め工法の場合は瓦の再利用がおこなえるメリットがあります。

四隅を固定するためボンドのついていた部分の見た目は悪くなってしまいますが、ラバーロック工法に比べると再利用できる可能性は格段に高まります。
そのため再利用を前提とした瓦止め工事にはこのボンド止め工法をおすすめします。

またラバーロック工法より安価におこなうことが可能で、規模によっては個人で施工を済ませることもあります。
施工費用が抑えられ、DIYとしておこなえるメリットがあるでしょう。

デメリットとしては瓦止め工事としての信頼性の低さが挙げられます。
ボンド止め工法は瓦をボンドで固定するだけであり、シーリングのように雨水の対策をおこないません。

瓦が歪みなく整っている間は効果が期待できますが、経年劣化によって瓦自体の歪みにブレが生じると途端に性能が低下してしまいます。

そのため、ボンド止め工法では長くても3年程度の耐用年数しか期待ができず、効果も他の工法に比べると限定的となります。

また、ボンド止め工法は施工が簡単なためDIYの範囲でおこなわれることが多い点がデメリットともなります。

ボンド止め工法を主として展開している施工業者は少なく、 応急処置としての側面が強いです。
工法単体で見るとラバーロック工法のほうが優れているケースが多いでしょう。
ボンド止め工法を単体でおこなうというよりも、他の施工方法と組み合わせて使われる場合が多くなります。

金具止め工法

金具止め工法は瓦を外付けの金具を用いて瓦自体を外壁に固定する方法です。
戸建て住宅ではメジャーな工法の1つです。

瓦に対してシーリング材といった直接付着する溶剤を利用しないため、瓦の再利用がおこなえることが特徴です。

瓦自体に劣化が見られない限りは気兼ねなく使いまわせるため、寿命の長い和瓦においてよく使われる手法でもあります。

瓦は新しく購入すると1枚当たり500~1,000円程度するため、屋根すべての瓦を交換すると非常に高額となります。

一般的な間取りである3LDK住宅は約100平米の屋根を持ち、1,600枚もの瓦が必要です。

この場合、瓦だけで最大160万円もの材料費がかかってしまうため、 瓦の再利用には大きなメリットがあります。

また金具止め工法のメリットとして経年劣化の影響を受けにくいため、一度施工してしまえば20年近く施工をやり直さないでよいケースも存在します。
初期の施工費用が高くても、長い目で見ればコストパフォーマンスがよいと言えるでしょう。

しかし、金具止め工法にもデメリットがあります。
ラバーロック工法やボンド止め工法に比べて強風に弱い点です。

特に建物下部から吹き上げる風に弱く、瓦がめくれ上がり、屋根とともに飛散してしまうケースがあります。

また、金具止め工法は外周部に面した瓦しか固定できないため、屋根の中央部が固定できないデメリットも存在します。
上記のデメリットは金具止め工法だけでは解決できず、ボンド止め工法と併用して対策します。

瓦止め工事の相場

瓦止めは屋根の工事となるため、条件によってはかなり高額の施工費用となります。
費用が高くなるケースとは、足場を組んだり、屋根までの動線を確保できなかったりする場合が挙げられます。

瓦止め工事の施工費用を下記にまとめました。

施工法:ラバーロック工法

 金額(平方メートル単価):1,200円
 工期:5~7日
 耐用年数:5~10年

施工法:ボンド止め工法

 金額(平方メートル単価):800円
 工期:2~3日
 耐用年数:3年以下

施工法:金具止め工法

 金額(平方メートル単価):4,000円
 工期:10日~
 耐用年数:10~20年

材料費や施工費、仮設費といった工事にかかる諸費用費用がすべて含まれた価格です。
一般的な住宅の場合、居住部の広さは100平方メートル程度と言われているため、今回の金額に100をかけたものがおおよその相場となります。

ラバーロック工法の場合で約12万円、ボンド止め工法の場合で約8万円となるでしょう。

金具止め工法の場合は約40万円と高額ですが、耐用年数が長く瓦の再利用に期待ができるため総合的に見ると安いでしょう。

瓦止め工事に使える助成制度

瓦止め工事をおこなうとき、その内容や条件によっては 施工費用の一部または全額が支給される制度が存在します。

助成制度としてもっとも有名なのは一般向け住宅の耐震補強の工事です。

耐震に対する助成制度は、阪神淡路大震災を皮切り定期的に発生する大地震に対応するための政策です。
耐震補強工事の費用の一部を助成する制度となります。

瓦止め工事自体は耐震補強工事に含まれませんが、耐震補強工事の中に瓦の軽量化工事があります。
瓦の軽量化工事をおこなった際に一緒に実施する瓦止め工事は耐震補強工事に含まれるため、助成制度が適用されます。

詳細な条件や金額については個々のケースによって異なるため、対象となる工事をおこなうときは必ず担当窓口まで相談するようにしましょう。

また古い建造物の中にはアスベストを使った屋根が存在し、そのアスベストを撤去する際に瓦を撤去するケースがあります。

アスベスト撤去のために瓦止め工事を再度おこなう必要が出てくるため、 アスベスト撤去工事に関連した助成制度を受けることが可能です。

アスベストの助成制度も自治体や申請先によって条件が異なるため、着工前に相談を忘れずにおこないましょう。

助成制度以外にも瓦止め工事に対して施工費用が支給される場合があります。
何かというと、火災保険の条項にある「風害」による被害条項です。

火災保険と言えば住宅の火災時に適用されるイメージが一般的ですが、実際は台風や突風といった風による自然災害にも適用されます。

風害が原因の瓦の破損や雨漏り、補修時におこなった瓦止め工事については火災保険が適用可能でしょう。

加入している火災保険によって詳細が違うため、必ず契約内容を確認して適切な申請をおこなうように心がけましょう。

瓦止め工事は「目的・工法・費用」に注目しよう

瓦止め工事は「目的・工法・費用」によって最適な工法を決定します。

応急的な処置なら「ボンド止め工法」、瓦の再利用を想定するなら「金具止め工法」を選択すると良いでしょう。

もっとも一般的なラバーロック工法も完全ではなく、あくまで選択肢の中から自分で選べるように正確な知識を身につけましょう。

瓦屋根は日本人の心でもあり、今後も日本の戸建て住宅では多く採用されていきます。
日本人の生活に密接に関わってきた瓦について、少しでも興味を持っていただけたのなら幸いです。

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