【旅館・ホテル】万が一のトラブルに備えができる火災保険について解説
目次
この記事では、旅館やホテルが加入すべき火災保険が、どの範囲まで補償対象となるのか詳しく解説した記事です。
旅館経営者、ホテル経営者の方は是非、参考にしてください。
旅館やホテルは火災保険に加入すべきといえる理由
旅館やホテルが加入すべき火災保険の修理解説の前に、なぜ旅館やホテルは火災保険に加入すべきなのかを、以下に解説いたします。
経営上のリスクの回避
旅館やホテルというのは、不特定多数のお客様が利用する施設であり、そのため大きなリスクを背負っており、火災保険加入は経営上必要な対策です。
万が一火災が発生した際には、迅速な避難により火災場所より遠ざけるのが最善策です。しかし、旅館やホテルは多くのお客様が滞在しており、避難まで時間がかかる場合があります。その際に被害を与えてしまった場合、補償をしなければいけません。
多くのお客様に補償をすることには多額の費用がかかり、想像以上のお金が必要となります。
また、火災を受けた場合に建物に発生してしまう被害は、想像以上に多くなり、火災が一部分に発生した場合でも、多くの部分に臭い取りなどの目に見えない費用もかかります。
そのような多くの費用を補償してくれるのが、火災保険です。
もらい火事にも対応
旅館やホテルは、他の商業施設と並んで建っていることが多くあります。
近隣の建物に火災が発生した場合、もらい火事を受けてしまうこともあるでしょう。
もらい火事というのは、相手から費用を貰うことが出来ないことが大半です。
自社の建物から発生した火災ではありませんが、受けたもらい火事というのは自社で対応しないといけません。
受けた被害は、自社でかけた火災保険で費用をまかなうことが出来ます。
旅館やホテルの火事というのは多く発生しがちなので、建物は自社で守るための対策が必要です。
落書きなどのいたずらへの対応
ホテルや旅館は、人通りが多い場所にあることが大半です。
そのため、心無い落書きなどの利用者以外からの悪質ないたずらを受ける可能性があります。
第三者から受ける落書きは、火災保険により修繕費用をまかなうことが出来ます。
自然災害による被害にも対応が可能
近年の日本では、自然災害が多く発生しており、そのため旅館やホテルは突発的に自然災害の影響を受けてしまうことが考えられます。
旅館やホテルというのは、古い建物が多い傾向があります。
災害により被害を受ける可能性があるので、保険の備えは大事といえるでしょう。
よって、自然災害の発生で建物に被害が発生した際は、火災保険を使っての修理は可能であり「突発的」に発生する自然災害の被害にも対処ができます。
旅館やホテルで発生した事故に対し対応ができる「旅館賠償責任保険」
下記に、旅館賠償責任保険とはどのような保険なのか、補償内容や活動事例などをご紹介いたします。
旅館賠償責任保険はどのような保険なのか
旅館賠償責任保険は、宿泊客や施設周辺の第三者に対して損害を与えた際に補償出来る保険です。
火災の場合、旅館やホテルの不備による火災発生の際に適用となります。
その他、飲食物の提供による身体の障害への補償や、お客様の荷物の取り扱いの不注意による補償なども対象です。
補償される内容
旅館賠償責任保険の補償内容は、各保険会社により多少異なります。
そのため、旅館賠償責任保険を検討する際には、細かい補償内容をチェックしましょう。
旅館賠償責任保険の主な補償内容
- 旅館やホテルから発生した火災による宿泊者の身体の障害の補償
- 旅館やホテルから発生した火災による宿泊者以外の第三者の身体の障害の補償
- 飲食物提供により宿泊者の身体に障害を与えた際の補償
- 宿泊者の荷物が旅館やホテル側の不注意により紛失した場合の補償
- 旅館やホテル側の不注意による宿泊者が駐車している車へ破損などの補償
活用事例のご紹介
旅館賠償責任保険にはどのような活用事例があるのか、以下にご紹介いたします。
旅館賠償責任保険の活用事例
- ホテルのボイラーが爆発して火災が発生した際にお客様にケガをさせてしまった
- ホテルで火災が発生した際に従業員の誘導ミスにより宿泊客がケガをしてしまった
- 旅館の漏電により火災が発生してしまいお客様にケガをさせてしまった
- ホテルの火災によりホテル前の通行人にケガを負わせてしまった
- 旅館の火災によりお客様の車に影響を与えてしまった
- 旅館の食事でお客様が食中毒になってしまい被害を与えてしまった
- 旅館から購入したお土産を食べて食中毒を起こした
- フロントで預かったお客様のバックの中に入っていた貴重品が無くなった
火災発生の際の出費のカバーが出来る「旅館宿泊者賠償責任保険」
旅館宿泊者賠償責任保険はどのような保険なのか、補償内容や活用事例などを以下にご紹介いたします。
旅館宿泊者賠償責任保険はどのような保険なのか
旅館宿泊者賠償責任保険とは、旅館やホテルの宿泊者が起こした賠償責任に対して補償される保険です。
宿泊客が起こしたトラブルによる費用は、宿泊者が負担すべきです。
しかし、何も対応しないと、口コミなどで旅館やホテル側の評判が落ちることがあります。
そのため、お客様が起こしたトラブルでも、旅館やホテル側がしっかりと対応すべきという考えがあります。
評判を保つことが出来るということで、旅館宿泊者賠償責任保険に加入する旅館やホテルも多いです。
宿泊客が起こしたトラブルの損害補償をしてくれるので、宿泊客には損害賠償金を払わせずに済みます。
補償される内容
旅館宿泊者賠償責任保険の補償内容は、保険会社により多少異なります。
そのため、契約の前にはどのような補償をしてもらえるのかを、細かくチェックしましょう。
旅館宿泊者賠償責任保険の補償内容を、以下にご紹介いたします。
旅館宿泊者賠償責任保険の補償内容
- 宿泊客の火の不始末により火災が発生した際の補償
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- 宿泊客が他の宿泊客にケガを負わせた際の補償
- 宿泊客が他の宿泊客の持ち物を汚した際の補償
- 宿泊客が宿泊施設を破損した際の補償
このように、旅館やホテル側には関係ない、宿泊客が起こしたトラブルに対して補償してもらえます。
活用事例のご紹介
旅館宿泊者賠償責任保険にはどのような活用事例があるのか、以下にご紹介いたします。
旅館宿泊者賠償責任保険の活用事例
- 宿泊客が客室内で火を使い引火したことで火災が発生した
- 宿泊客が階段で別の宿泊客にぶつかり、転落しケガを負わせてしまった
- 宿泊客がホテルの備品を故意に破損した
- 宿泊客がレストランで他の宿泊客に飲み物をこぼしてしまい服を汚してしまった
法人向け火災保険「一般物件用火災保険」
一般物件用火災保険はどのような保険なのか、補償内容や活用事例を以下にご紹介いたします。
一般物件用火災保険はどのような保険なのか
一般物件用火災保険とは、店舗や事務所にて火災が発生した際に、建物や什器、商品などの損害が補償され、旅館やホテルにも該当する保険です。
火災が発生した際の建物への補償をはじめ、什器などの機械や商品などにも補償を受けることが可能でしょう。
隣接建物からの、もらい火にも対応できるので、密接した宿泊施設でも安心の補償です。
また、休業補償もあり、火事により休業しないといけない場合、休業補償金を受けることができます。
さらに、車両による宿泊施設の破損なども補償対象です。
補償される内容
一般物件用火災保険の補償内容は、保険会社により多少の違いがあります。
そのため、保険検討の際には補償内容を細かくチェックする必要があります。
一般物件用火災保険の主な補償内容を、以下にご紹介いたします。
一般物件用火災保険の補償内容
- 火災
- 風災、ひょう災、雪災
- 水災
- 落雷
- 破裂、爆発
- 給排水設備の事故などによる水漏れ
- 盗難
- 建物外部からの物体の衝突飛来
- 騒擾や労働紛争に伴う暴力行為や破壊行為
活用事例のご紹介
一般物件用火災保険にはどのような活用事例があるのか、以下にご紹介いたします。
一般物件用火災保険の活用事例
- 調理場より火災が発生した
- ダクトの中の塵や油分に引火し火災が発生した
- 漏電による火災が発生した
- 隣接の建物で火災が発生しもらい火を受けた
- 自動販売機の配線より出火し火災が発生した
- 排煙ダクトより発火し火災が発生した
- 外部から車両が衝突し建物を破損した
- 落雷による火災の発生
- 火災により宿泊施設が使えなくなり休業補償を受けた
火災発生の際に様々な補償が受けられる「企業総合補償保険」
企業総合補償保険とはどのような保険なのか、補償内容や活用事例を以下にご紹介いたします。
企業総合補償保険どのような保険なのか
企業総合補償保険とは、複数の物件を持っている企業が1つの保険として統括して管理が出来る保険です。
旅館やホテルは複数物件を持っている場合も多く、統合的に管理ができます。
火災などの災害はもちろん、様々な災害に対して補償を受けることができ、罹災による財物の損害をはじめ、逸失利益などの様々なリスクの補償を受けることができます。
補償される内容
企業総合補償保険の補償内容は、各保険会社により多少の違いがあります。
そのため、保険検討の際には補償の細かい部分まで確認した上で検討しましょう
企業総合補償保険で受けることが出来る主な補償は、以下となります。
企業総合補償保険の補償内容
- 火災や落雷、破裂、爆発、水災、電気的事故、機械的事故
- その他の突発的な事故
- 逸失利益の補償
- 収益減少防止費用の補償
- 営業継続費用の補償
これらの補償を、全ての関連宿泊施設で受けることができます。
活用事例のご紹介
企業総合補償保険にはどのような活用事例があるのか、以下にご紹介いたします。
企業総合補償保険の活用事例
- 調理場のオーブンで出火し火災が発生した
- 設備機器の異常により出火して火災が発生した
- 漏電により出火し火災が発生した
- 隣の建物の火事からもらい火を受け火災が発生した
- スプリンクラーが誤作動を起こしてしまい水濡れが発生し損害を受けた
- 誤作動による機械設備の破損
- エレベーターのコンピューターに異常が発生し作動不良が発生した
まとめ:旅館やホテルは様々なリスクが多いので火災保険に加入すべき
旅館やホテルが加入すべき火災保険について、ご紹介いたしました。
旅館やホテルには火災が発生するリスクが大変多く、火災により宿泊者に被害も与えてしまい、火災により休業した際の休業補償は必要となり、多額の費用が発生します。
これらの費用をまかなうためには、火災保険は備えるべき対策といえます。
様々な便利な保険がありますので、細かい部分までチェックして加入を検討しましょう。