クリニックで考えられる事故や災害時使える火災保険とは?

目次
いつ来るかわからない台風などの自然災害において、クリニックや診療所などの病院ももちろん例外ではありません。
台風などの自然災害被害により休診を余儀なくされる場合もあります。
また、ふとした事故でも、火災保険が使える場合もあります。
今回は、クリニックにおける火災保険に使い方について学んでいきましょう。
病院での店舗用の火災保険とは?
クリニックや病院において本当に火災保険は必要?
長年火災保険や地震保険に入っていたとしても、
「気づいたら使う機会がない…」
「本当に必要なの?」
そんなことを感じる場合もあるのではないでしょうか。しかし、契約をやめたあとに大きな台風などが来てしまって病院に被害が及んでしまった。そんな時もあります。
火災保険は、実際に火災による事故というよりも、地球温暖化の影響なのか、それ以外の台風であったり、ゲリラ豪雨による水災事故で使用する場合も多くなってきました。
一般的には、もしもの時に備えて火災保険に入っておく方がメリットが大きいといえます。その上、病院には多くの高額な医療器具がありますし、被害による休診の心配もあるのです。
小さなクリニックだとしても、一般的な戸建てと同じような火災保険ではなく、「店舗総合保険」なるものがあります。
店舗総合保険とは?
一般的には、店舗総合保険とは以下のようなものが補償対象です。
火災、落雷、破裂
過失から火を起こすこと、ボヤなど、雷が落ちて建物に損害を起きる、ガス漏れなどによる破裂で財産が損害を受けるなど。
風災、雹災、雪災
強風や大きな雹(ひょう)、雪により損害を受けること。
外部からの物体の落下、飛来、衝突
建物の外部から物体(車や、野球ボールなど)がつっこみ損害を受けること。
水ぬれ
給排水設備や、他の階の人により生じた事故により漏水すること。
騒擾
多くの人の集団行為によって被害がおよぶこと。
盗難
未遂も含めて盗難による損害を受けること。
水災
台風や暴風雨などによって起こる洪水や土砂崩れにより、補償基準以上の損害だった場合。
一般の火災保険とは、選択肢や特約が多種多様であったり、「什器・商品・製品」の補償ができるところが大きな違いです。
優先したい事柄や、考えられるリスクで保険選びをしましょう。
クリニックにおいて考えられる事故・リスクは何か?
では、クリニックや診療所において考えられる事故やリスクは何でしょうか?今まで被害にあったことがない場合は、考えることが難しいかもしれません。
ここで考えてみましょう。
- 大きな川が近いので、台風や大雨時の氾濫が不安
- 大きい通りに面しているので、自動車事故の被害が不安
- 台風により屋根が破損してしまった
- 雪崩に巻き込まれて倒壊してしまった
他にもたくさんありますが、以上のようなものが考えられますね。
保険会社によって補償内容や、保険料、アフターフォローが異なりますので、シミュレーションなどもして比較してみてください。
クリニックが被害に遭い、休診しなければいけなくなった場合は?
- 台風によって床が浸水した
- 停電になり医療機器が使用できない、診療も難しい
- 医療器具が水没してしまって使えない
- 台風によって窓ガラスが割れた
自然災害の被害に遭ってしまった場合、診療が困難になってしまう恐れがあります。休業中は、売上がどうしても落ちてしまいます。
そんな時に使えるのが、「店舗休業保険」です。火災保険は、基本的には「財産」の補償のみです。万が一の被害によっては、追加で「店舗休業保険」に入っておくと安心でしょう。
「店舗休業保険」とは?
店舗休業保険とは、自然災害を中心とした被害により開院ができなくなった状態のとき、休業損失を補償してくれる保険です。
先述した通り、火災や落雷などの被害で休診せざるを得なくなってしまった場合、ちなみに補償の対象は「粗利益」です。売上高から売上原価を引いたもののことを言います。
災害によって失われてしまった1日あたりの粗利益を補償してくれるのです。
「企業総合保険」は、店舗総合保険よりもさらに補償が手厚い
また、企業総合保険に入られている場合は、あらかじめ店舗休業補償が含まれている場合や、特約として付いてくる場合も多いです。
しかし、その際はもちろん補償に応じて金額は上がります。
あくまで、被害が原因の休診の場合に限る
しかし、台風が近づいており、臨時休診としたなどの場合には補償の対象にはならないのでご注意ください。
自然災害そのものによる休診ではなく、自然災害を原因とした被害により休診せざるを得なくなってしまった場合に補償対象となるのです。
賃貸のクリニックの場合は何の保険に入るべき?
いきなり一戸建てで開業、となると経済的なリスクもあり、コストも高くなるため、賃貸でテナント開業しているという方もいらっしゃるでしょう。
そんなときは、「借家人賠償責任保険」に加入しておきましょう。こちらは、大家さんに対する法律上の賠償義務のためのものです。
自然災害による被害により借りている賃貸を損傷やまたは汚損してしまった場合、保険金が支払われるものです。
しかし、こちらは単独では加入ができず、火災保険の特約にセットするものです。
賃貸を借りている場合は、借りる際に不動産に言われるがまま入ってしまった、という方も多いでしょう。
ご自身で内容を確認して他の火災保険に変更することもできますので、まずは今加入されている保険がどのような補償内容なのか、どの場合は補償の対象外なのか、棚卸しておくことが必要です。
医療機器を壊した!そんなときに使える保険は?
さまざまな精密機器が置かれ、忙しい医療現場。そこでふとしたことにより医療機器を壊してしまった、なんてこともあるかもしれません。
破損や汚損の対応をしてくれる補償が付けてある場合、保険を使用することができる場合があります。
わざとしたわけではない、あらゆる事故による損害を受けた場合に補償されます。
しかし、補償に入っていたとしても、医療機器は対象外になっている場合もあります。今一度、加入している保険の補償内容を確認してみてください。
また、医療機器は高額の場合は自身ではなく、リース会社に借りている場合もあります。
その場合はリース会社が保険に入っている場合があるので、クリニックでは入らなくても良いかもしれません。リース会社に確認しておきましょう。
地震には地震保険の加入を
地震による噴火、津波、火災などは、火災保険では補償されず、地震保険への加入により補償がされます。
ちなみに、地震保険は単独では加入ができず、火災保険とセットでの加入が必要となりますので注意です。なぜセットなのかといいますと、地震保険は国による法律に基づいた保険であるためです。「被災者の生活の安定に寄与すること」を目的としているため、火災保険とセットになるのです。
昨今、どこにいても地震に対する十分な備えは必要な日本ですから、病院やクリニックにおかれましても検討しておいてもいいでしょう。
法人の建物診断は当社団まで
当社団では、建物診断を行っております。調査までは無料で、もしも被害があった場合は、建物の修繕費用がご加入中の火災保険からおりるためご負担はございません。
病院はもちろん、工場、学校、あらゆる建物を診断し、調査~工事まで一貫してサポートしています。今までの事例もご紹介しています。
被害箇所があるなど、心当たりがある場合はぜひご相談ください。