工場で費用対効果が高い修繕・改修工事の成功と失敗の事例を紹介!

「工場の老朽化が進み、トラブルを抱えている」
「工場の改修を検討しているが、一体どこから手をつければよいか悩んでいる」

これらは今、工場経営者の多くが抱えている問題の1つと言われています。

高度成長期からずっと稼働してきた工場は多く、そのほとんどがすでに修繕・改修工事が必要な状況と言われています。

そのため、工場の修繕・改修工事の計画が検討されています。
しかし、工場の修繕・改修工事は専門性が高い工事の1つです。

普通の経営者ではどの部分に工事が必要なのか、正確に判断することは難しいです。
また専門業者でも意見が分かれることもあり、明確な基準がないことで知られています。

そこで今回は実際に工場の修繕・改修工事の成功と失敗の事例を紹介します。
成功した事例はなぜ成功したのか、失敗した事例はなぜ失敗したのかについて確認することは重要です。

似たような事例で修繕・改修工事を検討している経営者は、ぜひ参考にしてみてください。

工場の修繕・改修を費用対効果の面からおすすめする理由

工場の修繕・改修工事をおすすめする理由は主に3つあります。

1. 生産性が高まる
2. 経費の削減になる
3. 安全管理が容易となり従業員の環境改善につながる

それぞれについて理由を確認していきます。

工場の生産性は工作機械の稼働時間が影響します。
工作機械は大型のものが多く、連続で稼働する時間には制約があります。

そのため、ほとんどの工場では工作機械の冷却装置を導入しています。
この冷却装置の性能が生産性に大きな影響を与えるのです。

しかし、冷却装置は工場内の気温が高いと性能が低下します。
この冷却装置の性能低下が生産性を大きく下げる要因です。

問題を解決するために工場の修繕・改修工事がおすすめです。
具体的には断熱改修工事をおこなうことで工場内の空調の性能を向上させます。

また、工場の断熱改修工事をおこなうことで経費削減に繋がります。
工場が稼働するのにかかる費用の中で、光熱費はかなりの割合を占めます。

工場の断熱改修工事をおこなうことで、光熱費の削減が可能です。
さらには工場内の気温を一定に管理することで、労働災害防止に繋がります。

また各工場では労働災害防止のため夏場は熱中症対策、冬場は始業前に体を暖めるといった対策をおこなっています。

そのため、工場内の気温を一定に管理することで労働災害防止に繋がります。
従来おこなっていた安全管理が容易になり、従業員の労働環境改善に繋がります。

長期的には工場の修繕・改修工事をおこなうことで、利益が増える事例も存在します。
しかし、計画によっては割に合わないこともあるでしょう。

実際に工場の修繕・改修工事に成功した事例と失敗した事例を紹介します。
各事例を参考に修繕・改修工事をおこなうメリットがあるかを判断していきましょう。

工場における修繕・改修工事の成功例

今回のモデルケースを説明します。

• 工場の規模は小型で従業員数15人程度を想定
• 年商は3億円、純利益は3,000万を想定
• 工場は稼働したまま工事をおこなうため夜間工事を予定
• 工事内容は、工場内の断熱改修工事、空調衛生工事、電気設備工事、仮設工事
• 工期に関しては充分に確保しているものとする
• 工事費用は一般的な金額とし、相場とかけ離れていないものとする
• 工事に必要な配慮を工場側から受けられるものとする(資材置き場等)

修繕・改修工事によってどれだけ生産性が上がるのか、経費はいくら下がるのかについても考慮する必要があります。

今回のモデルケースでは工場の断熱改修工事、空調の入れ替え工事をおこないます。
この2つの工事が生産性、経費にどれだけ与えるかを確認していきましょう。

まずは生産性についてです。
生産性は機械の稼働している時間が、影響を与える時間となります。

工作機械の種類によって違いがありますが、今回は90分に1回は機械を30分間休ませる必要があると想定します。
この場合、1日あたりの工作機械の稼働時間は18時間となります。

断熱改修工事によって、150分に1回は機械を30分間休ませる必要があると想定します。
この場合、1日あたりの工作機械の稼働時間は20時間となります。

工作機械の稼働時間が2時間増加したことで、生産性は約1.11倍増加しました。
純利益で考えると年間330万円程度増加したことになります。

また光熱費についても同様に計算をおこないます。
光熱費のうち工場内で使われる照明、空調の割合は約17%と言われています。

照明や空調の入れ替えをおこなうことで、約30%を削減できると言われています。
このことから断熱改修工事をおこなうことで、光熱費全体の約5%を削減できます。

製造業の場合、売上における比率はこのようになります。

• 原価  3割
• 人件費 3割
• 光熱費 2割
• 雑費  1割
• 利益  1割

今回のモデルケースでは年商3億円のため、光熱費は年間6,000万ほどかかっている計算です。
その中で光熱費全体の5%が削減されるため、年間に300万円の経費削減が想定できます。

利益の増加分と光熱費削減分をあわせて、年間630万の利益が発生することになります。
断熱改修工事や空調機の寿命が約10年と言われているので、今回の修繕・改修工事の総額は6,300万円以下に抑える必要があります。

これが今回の損益分岐点となります。
計画の段階から意識しておきたい数字です。

工費と施工期間


今回はざっくりとした工費を計算しました。
下記表の工費についてですが、元請けの原価をベースに作成するため実際はかなり異なります。

具体的には表で表示されている原価に、1.5倍を掛け算した金額が見積もりに近い額となります。

今回のモデルケースでは1,900万×1.5=2,850万円程度が工費の相場となります。
さらに予備費を考えると約3,500〜4,000万円程度になるかと思います。

工事期間については約3ヶ月とし、工場の稼働は土日祝日をのぞいておこなわれます。

工事名 工事内容 材料費 人工(にんく) 工費
仮設工事 ・現場事務所の設置
・資材置き場作成
・足場組み立て
・養生や安全管理
400万円 80人工
単価3万円
640万円
断熱改修工事 ・外壁、内壁の補修
・開口部の断熱処理
・塗装やシーリング等
150万円 50人工
単価3万円
300万円
電気設備工事 ・配線盛替え
・照明のLED化
200万円 50人工
単価4万円
400万円
空調衛生工事 ・空調の新調(撤去含む)
・空調ルートの変更
320万円 60人工
単価4万円
400万円

※人工とは、1日に必要な人数のことです。1人工=1人で1日かかる作業量

施工計画と工程表


実際に工事をおこなうときには施工計画を作成します。
これは工事をどのような手順でおこなうかを定めたものです。

今回のケースの場合、最初に工事をおこなう現場事務所を設置します。
その後、工事をおこなうための養生や足場の作成をおこないます。

次に各工事内容のうち、撤去や盛替えといった工事を進めていきます。
これらは後で別の工事をおこなうために先に実施する必要があります。

照明の変更や空調の設置といった工事をおこない、最後に足場や事務所を撤去して終了となります。

このような一連の流れを予測して共有することを「施工計画を作成する」と呼ばれています。

施工計画を検討しないと大きなトラブルとなります。
必ず検討して、提出を求めるようにしましょう。
またこの施工計画を表したものが工程表と呼ばれます。

工程表についても必ず確認し、疑問を感じた場合は工事担当者に相談しましょう。

修繕・改修工事が成功した理由


今回のケースではなぜ工場の修繕・改修工事に成功できたのか、その理由を解説します。
その理由としては2つ挙げられます。

1つ目は工費が適正な予算で組まれたことです。
費用対効果の面で失敗があった場合、修繕・改修工事が成功しても意味がありません。

そのため修繕・改修工事が予算内でおこなわれたか、確認する必要があります。
今回のモデルケースでは約4,000万円の予算で修繕・改修工事がおこなわれました。

その結果6,300万円の利益が確保できるため、成功と言えるのではないでしょうか。

2つ目は計画通りに修繕・改修工事を終えられたことです。
今回のケースの場合、事前に施工計画を作成して工程表に落とし込みをおこないました。

その計画にあわせて工事がおこなわれ、工場側の協力もあったため余計な費用が発生しませんでした。
そのため、計画通りの利益が生まれて成功したと言えるでしょう。

以上のことから工場の修繕・改修工事を成功させるためには、予算と工費の算出、施工計画の作成の2つがポイントとなります。

必ずこの2点を確認してから工事をおこなうようにしましょう。

工場における修繕・改修工事の失敗例

今回のモデルケースを説明します。
• 工場の規模は小型、従業員数15人程度の工場を想定
• 工場の年商は3億円、純利益は3,000万を想定
• 工事内容は工場内の断熱改修工事、空調衛生工事、電気設備工事、仮設工事
• 工事費用は一般的な金額とし、相場とかけ離れていないものとする

これらに加えて成功事例との変更点となるモデルケースを説明します。
• 工場内は稼働しているが、費用削減のため日中工事を予定する
• 工期に関しては最低限の期間のみ確保している
• 工場側から充分な配慮を得られないとする

損益分岐点といった条件は成功した事例と変更はありません。
(年間630万円、10年で6,300万円を想定)

失敗理由 工期が間に合わない


成功した事例と違い、今回は2つの失敗理由があります。
それは工事を日中におこなったこと、工期に予備日程が設けられていないことです。

日中に工事をおこなうことは人件費削減になるため、一見メリットと思われます。
しかし、工場が稼働している状態では作業がなかなか進みません。

特に空調のような天井についている設備は足場を組む必要があります。
足場を工場稼働の邪魔にならない場所に組むのは困難です。
そのため、施工計画の見直しを余儀なくされました。

結果として夜間工事に切り替えることとなり人件費が増加し、工期に間に合わないという最悪の事態となりました。
これはもっともよくない失敗例の1つです。

失敗理由 費用対効果に見合わない


費用対効果の面は充分に想定したのに失敗するという事例もあります。
今回の場合、損益分岐点まで想定したのになぜ失敗したのでしょうか。

失敗理由としては工場側から配慮を得られなかったこと、そして工期が遅れていたことの2つがあります。

工場側からの配慮というものは単に工事への理解だけではありません。
例えば資材置き場の確保、現場事務所の設置にも工場側からの配慮が必要です。

具体的には使っていないスペースを貸したり、施工計画にあわせて工場の稼働内容の調整をしたりといった配慮が必要不可欠です。
これらを怠ると施工計画より予算が増加し、工期に遅れが発生します。

工期に遅れが発生するとその遅れを取り戻すために過剰な人数を使うことになります。
これらが積もり積もって、予算を超えてしまいます。
そうなると費用対効果に見合わない修繕・改修工事となってしまいます。

失敗した事例から学ぶこと


失敗した事例から学ぶこととして、施工計画を見直すことが挙げられます。
当初計画した施工計画というものは、現場の状況によって変更せざるを得ないことが予想できます。

そのとき工場側と意思の疎通がうまくいっていないと大きなトラブルの原因に繋がるでしょう。

工事は計画通りにいかないものと認識して、現場で対応するといった柔軟性を持つことも重要となります。

失敗した事例はどちらも計画・現場での打ち合わせ不足が原因です。
必ず詳細な打ち合わせをおこない、互いに配慮しあう関係を築けるように努力しましょう。

工場の修繕・改修工事で失敗しないために

工場の修繕・改修工事で失敗しないためには「計画・予算・打ち合わせ」の3つが重要です。

コストパフォーマンスが高い工事でも、それに見合った費用で抑えなければ意味がありません。

今後工場の設備の更新をおこなうときに、必ず修繕・改修工事が発生します。
そのときに失敗しないように、必ず施工計画や予算の算定をおこなうようにしましょう。

成功した事例と同様に、費用対効果の高い修繕・改修工事をおこなう参考になれば幸いです。

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